- nanoBlock Factory -
nanoblockとVectorWorks(1)
円筒のような簡単なものでも、図面を描かずに作るのは難しいです。
世の中には特殊な才
能を持った人もいて、微妙な形状でもいきなり作り始めたりするそうですが、もちろん私には無理です。
その代わり、CADで図面を描くのは慣れています。
3Dオブジェクトの断面を大量に作るのはVectorWorksの得意とするところです。
最初は単純な図形がいいので、球を作ることにしました。
球は単純な図形ですが、ブロックで作るのは簡単ではありません。
直径30ポッチの球でも40断面(対称なので図面は20断面)が全て違います。
断面形状は円です。
3Dで球体を作って断面を切ることも出来ますが、最初は普通に円を描くことにします。
断面は水平面で切るので、断面の半径を得るために正面図(側面でも同じ)を描きます。
縮尺は1/1、単位はミリです。
スナップ・グリッドはx=2.0、y=1.5に、レファレンス・グリッドはx=4.0、y=3.0に設定します。
ブロックの中心に合わせて断面を切るので、Y=1.5から3ミリおきに水平線を描、円で切断します。
切断面のレイヤを作り、線を各レイヤに移動します。
レイヤ表示は他のレイヤを「表示/スナップ/編集」にします。
(0, 0)に基準点を置き、図形整列で全ての線をY=0の位置に移動させます。
他のレイヤを「隠す」にして、レイヤ「1」〜「20」に円を描きます。
(下の画像をクリックすると、全断面をQuickTimeムービーで確認出来ます。
この動画はVectorWorksの操作をリアルタイムで記録したものです。
このように表示レイヤを切り替えながら確認出来るので、断面が多いものはVectorWorksでやるのが楽です。)
ブロックを配置するので、スナップ・グリッドを2.0、レファレンス・グリッドを4.0に設定します。
この4×4の格子にブロックの位置を合わせます。
スナップ設定を「グリッドスナップ」と「図形スナップ」だけONにして、円に合わせた多角形を描きます。
格子の中央(拡大すると点があります)が円の中にあればブロックあり、円の外ならブロックなしです。
この線がブロックの外側の線になります。
オフセットツールで4ミリ内側にブロックの内側の線を作ります。
(下の画像をクリックすると、全断面をQuickTimeムービーで確認出来ます。)
ここまでが球を作るのに最低限必要な情報です。
上下のブロックの重なりを調節しながら作るなら、この図からでも球は作れます。
球を作る場合、上下の半球を別々に作ってから最後に合体させます。
下から上まで一体で作って行き、天辺の部分だけ別に作って蓋をするのでは上手くいきません。
天辺の部分を組むときは内側からも押さえる必要があるので、どこかで分割する必要があります。
ブロックの断面変化が無い方が合体しやすいので、真ん中で分割するのが無難です。
ここから先は
「nanoblockとVectorWorks(2)」
で説明します。
(2011/02/22)