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MiniCAD(VectorWorksの前身)について

 VectorWorksは、Mac/Win用の汎用CADです。 Ver.7まではMiniCAD呼ばれていて、元々はMac用のCADでした。 最初のDrawソフトであるMacDrawと同様のインターフェイスを備えており、 当初から 3D、ワークシート、データベース、マクロの機能を持っていました。

MiniCADは以下の特徴を持っていました。

  1. 複数のファイルを開ける。
  2. 3D-CADである。
  3. 図面上に画像(Pict)を貼れる。
  4. 線の太さや破線が画面上でも印刷時と同様に表示される。
  5. 図形が面属性を持っている。
  6. レイヤの他に、名前とクラスを図形情報として持つている。
  7. 図形データベース機能。
  8. 図面上にも貼れるワークシート(スプレッドシート)。
  9. マクロ機能。

1.〜3.  現在では普通ですが、当時は珍しかったのです。

4.  今でも画面上で印刷時の線の太さと破線間隔で表示するCADは珍しいですが、 MiniCADが誕生した頃のMacは白黒(グレイスケールでさえない)が当たり前だったので、 太い線は実際に太く表示しないと識別出来ませんでした。

5.  今ではAutoCADでも面属性を扱えますが、 MiniCADみたいに面図形を積極的に使うCADはありません。 やはりルーツがドローソフト故でしょうか。

6.  レイヤについての説明で、「トレーシングペーパーを重ねたようなもの」とよく言われますが、 多くのCADでは線の種類を区別するためだけに使われます。
 MiniCADのレイヤは本物のトレーシングペーパーに近いです。 レイヤ毎に縮尺を設定出来るし、レイヤを重ねる順番も変えられます。
 名前とクラスは図形を識別するための属性です。 ひとつのファイル内で別々の図形に同じ名前はつけられませんが、 同じクラスの図形が何個あっても構いません。 命名の手間もあって、名前はクラスほどは使われません。
 内部的には、図形は何れかのレイヤかシンボルに属し、 図形は名前、クラス、線種等の属性を持ちます。
 MiniCADでは、レイヤ、名前、クラスを組み合わせることにより、 図形の表示/非表示を細かく制御することが可能です。

7.  ファイル上の図形をデータベースとして扱えます。 図形検索は、図形情報(レイヤ、種類、座標等)や属性(名前、クラス、レコード、線種等)の 様々な組み合わせで可能です。 検索結果はワークシートで抽出、集計出来ます。

8.  MiniCADのワークシートは、Excelのような表計算機能と、 図形データベース機能を併せ持ったものです。 図形モードのワークシートは図面上に貼り付けることが出来ます。

9.  マクロ機能のために、図形表示、図形選択、描画環境設定、 図形の取り込み等のコマンドが使えます。
 それらのコマンドはMiniPascal言語を使ってプラグラムも可能です。

 今から見てもずいぶん高機能なCADですが、 当時(MiniCAD+3.0の頃)はデータベース機能やワークシート機能の価値は理解出来ませんでした (使い込むうちに便利さの一端はわかりましたが)。 というかCAD自体あまりよく判ってなかったのです。
 MiniCADの購入理由は、MiniPascalの存在が大きかったと思います。


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